圧巻のアクトレイザー全曲演奏『古代祭り』に参加してきました(大満足)
皆さんこんにちは。よく訓練された古代祐三(こしろゆうぞう)信者のシオナイト(@sheonite)です。
2018年12月1日、新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団(以下「NJBP」)のコンサート『古代祭り』が開催されたので行ってきました。
会場は東京都大田区の大田区民ホール・アプリコ。私は福岡在住なので、かなり「試される信者」的な距離ではあったのですが、中には海外から来ているファンもいたみたいですね。上には上がいます。古代信者おそるべし。
まずはサイン会整理券ゲットだ!
入場開始は13:15からだったのですが、物販でもらえるサイン会整理券に限りがあるという話だったので、11時過ぎから待機列に並びました(二番目)。
実は10時頃に様子見に来たのですが、その時間は誰もいなかったので、さすがに陣取るのは遠慮したんですよね。係りの方にも悪いので(笑)。
入場開始後は速やかに物販コーナーに向かい、無事、サイン会整理券をゲット。購入したものは後ほど紹介いたします。
一人で3枚も貰っちゃって悪いなぁとも思いましたが、結構たくさん配布されたみたいですね。整理券の配布枚数は事前にアナウンスあると良かったんですが。
会場の様子〜開演
ホールに入り座席を確認。1階席の前から9列目、中央やや左というなかなか良いポジションでした。
…実はこの席、良いどころか、恐ろしく幸運な席だったんですよね(後述)。
ちなみにホワイエにはお祝いのお花が飾られておりました。ご紹介いたします。
そして開演の数分前に、NJBP代表で指揮者である市原雄亮さんが登場。クラシックコンンサート初心者のためのマナー講座がありました。
場内での飲食厳禁。コンビニ袋の音は意外と響く。咳は生理現象だから仕方がない。覚えた(笑)。
それでは演奏された曲と、曲にまつわるエピソードトークを順番に紹介いたします。
DAWN -Theme of NJBP-
NJBPのテーマ曲。この曲は古代さんの作曲ではなく、ハドソンで数多くの名曲を生み出した国本剛章さんによるもの。
国本さんといえば、ファミコンの「チャレンジャー」「忍者ハットリくん」「スターソルジャー」「迷宮組曲」「ヘクター’87」「ボンバーキング」などが有名ですね。
で、このDAWNという曲、びっくりするくらい「ボンバーキング」です。開演前も場内に歌詞付きの曲が流れていたのですが、「傷ついた制御コンピューター」とか歌ってるし(笑)。
ザ・スキーム
1988年発売のPC-8801mk2用ソフト「ザ・スキーム」から、みんな大好き『I’ll save you all my justice』。このゲームの中でダントツの人気曲です。(「ザ・スキーム」がどんなゲームかについては、以前の投稿がありますのでそちらをご覧ください。)
「ザ・スキーム」のサウンドトラックは、電波新聞社が発刊していた「マイコンBASICマガジン」(通称「ベーマガ」)主催の「第1回 日本ゲーム・ミュージック大賞」で大賞を受賞しています。
その後、詳しいお話を聞くため、市原さんが古代さんをステージに呼ばれたのですが、なんと古代さん、私のすぐ後ろの席に座っておられました。この時は本当に心臓止まるかと思った(笑)。
その後も古代さんはアンコールまで同じ席で聴いておられました(休憩時間除く)。ご本人が近くにいて嬉しい反面、演奏中も緊張で手汗が止まりませんでした(笑)。
古代さんのエピソードトークはだいたい次のような感じ。
「ザ・スキーム」は日本ファルコムのあとフリーになって最初に手がけた曲だったと思う(曖昧)。
ゲームにユーロビートを持ち込んだのはこの作品が初ではないか。
曲名をつけるのは苦手で、「BGM01」とかイースなら「YS01」イースIIなら「YT01」とか付けていた。世界樹の迷宮も曲名はアトラスのスタッフが付けている。
昔はシステム上、ファイル名に漢字が使えなかった。最近になってようやく漢字交じりのタイトルをつけ始めた(ただしレコーディング現場などではファイル名に漢字が入っていると困ることがあるらしい)。
『I’ll save you all my justice』は自分で曲名をつけた大変珍しいパターン。当時ハマっていたイギリスのバンド「デッド・オア・アライヴ」の曲が元ネタ(おそらく「I’ll Save You All My Kisses」だと思われる)。
そもそもこの曲は、人間が演奏することを前提に書いてない(笑)。
原曲を聴くと確かに、人間が演奏するには厳しいフレーズがたくさんあります。
が、この難しいフレーズを、クラリネットとヴァイオリンで見事に再現されていました。目の前で繰り広げられる驚愕の演奏。来て良かった…
ベア・ナックル 怒りの鉄拳&ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌
続きまして1991年発売のメガドライブソフト「ベア・ナックル」からステージ1の曲『Fighting in the Street』、1993年発売のメガドライブソフト「ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌(レクイエム)」からステージ3の曲『Dreamer』、両作共通のラウンドクリア曲『Round Clear』がメドレーで演奏されました。
「II」からの選曲が『Dreamer』というのに大感激。わかってらっしゃる。この曲めちゃくちゃ好きなんですよね。
『Round Clear』に関してはセットリストには記載されておらず、演奏後に市原さんから「そういえば最後にRound Clear演奏してます」という説明がありました(笑)。
こちらも再び古代さんから多くのエピソードが語られました。
ゲームにハウスを持ち込んだのはこの作品が初ではないか。
「ベア・ナックル(初代)」の話がセガから来たのは、おそらく「ザ・スーパー忍」に携わらせてもらったからだと思う。初代は曲だけを提供。
「ベア・ナックルII」は曲だけでなく、ゲームの開発もエインシャント(古代さんの会社)で行った。これはその前にエインシャントで開発したゲームギア用ソフト、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」の評判が良かったからだと思う。
「II」は当時大流行していた「ストリートファイターII」の影響をかなり受けている。コンボとか。
ストリートファイターシリーズが大好きで、「ストIII 3rd STRIKE」以外(と、仰ってたと思う)は全部基盤を持っている。社員と対戦に明け暮れていた。
「II」は川島基宏さんとの共作。川島さんの曲調はテクノ寄り。
「II」のキャラクターボイスは全て古代さんの声。ブレイズ(女性キャラ)の声は甲高い声で録音した後、ピッチシフトで女性っぽい声に仕上げた。
『Round Clear』は、異星人に地球の音楽を送る企画「Sonar Calling GJ273b」に採用された唯一のゲームミュージックである。曲の容量にかなりの制限があったため、この短い曲を選んだ。他にも著名なミュージシャンが多数この企画に参加しているが、みんな宇宙人に聴かせたいという意図が見えるような曲を作っていた(笑)
ブレイズの声の件では会場がざわめきました(笑)。このあとWikipediaで「ベア・ナックルII」の項目を調べたら、ちゃんとこの件追記されてました。仕事早い。
こちらの作品も原曲がハウスということもあり、オーケストラでの再現は厳しかったと思いますが、やっぱりいい意味で期待を裏切ってくれました。
特にチェロのソロパートが熱かった!
「ベア・ナックル」演奏のあとはNJBP恒例の撮影タイム。私は今年2月のNJBPコンサートで撮影タイムがあることを予習していましたので、今回はカメラとズームレンズを持参していました(ドヤ)。
いやほんと、席がステージに近くて良かった。古代さん長身でイケメンですわ。
世界樹の迷宮『世界樹の迷宮メドレー2018』
撮影タイムの後は2007年発売のニンテンドーDSソフト「世界樹の迷宮」から『迷宮I 翠緑ノ樹海 – 鉄華 初太刀 – 鉄華 討ち果て朽ち果て – 迷宮V 遺都シンジュク』のメドレー。
では古代さんのお話。
「世界樹の迷宮」は3Dダンジョン型RPGの元祖「ウィザードリィ」を意識した作品で、音楽も昔のゲームを彷彿させるものというオーダーがあった。
このゲームに携わっていた頃、スランプ(ブランク?)の時期で、いろいろ試してみたがしっくりこなかった。ある時、FM音源を使って曲を作ることを思いつき、試してみたらうまくいった。
以降このシリーズは「III」までFM音源で曲を作っていたが、3DSの「IV」を作るタイミングでバンドとオーケストラに変更。こちらも評判が良かった。録音にはNJBPのメンバー数名にも参加していただいている。
(市原さん談:エンディングでメンバーの名前が出てくるので見て欲しい)
原曲はFM音源だが、曲調はオーケストラに合っているので、今回の演奏でも違和感なく聴いていただけると思う。
FM音源版はPC-8801で作曲している。最近、フロッピーディスクドライブの部分をSDカードで再現するエミュレータをBEEP秋葉原さんに提供してもらった。
中潟さん@nkgt5 も古代祭りに来て頂けるという嬉しさから早速BEEP様謹製の88で源平鳴らしてみました。ちょっと発音数足りないけど… pic.twitter.com/luT3EFcDmr
— 古代祐三 (@yuzokoshiro) 2018年11月13日
「世界樹の迷宮」も期待どおり、いや、期待を超える仕上がりでした。FM音源版ももちろん大好きなのですが、オーケストラの迫力はやっぱり凄い。
この素晴らしい演奏を生で聴けるなんて…やっぱり来て良かった(涙)。
アクトレイザー『交響組曲アクトレイザー2018』
20分間の休憩を挟み、いよいよメインディッシュ。1990年発売のスーパーファミコン用ソフト「アクトレイザー」の全曲演奏です。
全8楽章。曲の順番は次のとおり。
- オープニング – 天空城 – 降臨 – フィルモア
- 人々の誕生 – レベルアップ – 捧げ物
- ブラッドプール〜カサンドラ – 魔獣現る – ラウンドクリア
- ピラミッド〜マラーナ – アイトス〜テンプル
- ノースウォール
- 世界樹
- 強敵 – サタン
- 静寂 – 平和な世界 – エンディング
曲の展開を考えてか、ゲーム(サントラ)の順番とは少し変えてありました。聴いてみると確かにしっくりくる順番です。
では古代さんの解説。
スーパーファミコンの開発者向け資料でサンプラーが8チャンネル分あることを知り、オーケストラに挑戦したい!と思った。
当時任天堂から開発者に配布されていたサウンドドライバには、一度音色を設定したらゲーム中(例えば曲毎)に変更できないという制約があった。
これでは想定している音作りはできないと考え、「アクトレイザー」のプログラマである橋本昌哉さん(日本ファルコム「イース」シリーズの天才プログラマ)にドライバ作成をお願いしたところ、アッサリ作ってくれた。
音色はRolandのSC-55からサンプリングした、と思う。
最近は曲を作ると「これは何か別の曲に似ているのではないか」と心配になることが多いが、「アクトレイザー」の頃は若かった(21歳?)ので、あまり気にしていなかった(意味深)。
当時はオーケストラの知識があまり無い中で作曲したが、今回リハーサルで聴いたらすごく良い曲だと感じた。俺、神ってる?って思った。
「神ってる」発言に会場からは思わず笑いが。いやいや、あなたは間違いなく神ですよ(笑)。
演奏を聴いていると、「アクトレイザー」がオーケストラで生演奏されているという感動が押し寄せてくるとともに、スーパーファミコンから出ていた「アクトレイザー」の音がいかに凄かったか、改めて思い知ることになりました。
もう感動しかない(涙)。
「アクトレイザー」のゲームカートリッジの中には、間違いなくオーケストラがいました(by山下章)。そして、ゲームカートリッジの中にいたオーケストラを具現化してくれたNJBPの皆さまにも感謝。本当に素晴らしい演奏をありがとうございました。
演奏曲目は「アクトレイザー」で最後だったのですが、その後アンコールで「ベアナックルメドレー」と「アクトレイザー」の「エンディング」の2曲が演奏されました。
お待ちかねのサイン会
終演後はお待ちかねのサイン会。順番待ちの列がとんでもなく長かったんですけど、一体、整理券何枚配ったんだろう?これなら慌てて会場に来ることもなかったかな(笑)。
私は色紙と「ザ・スキーム」のCDにサインをいただきました。正直、緊張してうまく話せず、アワアワしてましたが。
そしてどうしても古代さんご本人にお見せしたくて福岡から持参したものがこちら。
20数年前にメガドラ誌で当選した…知り合いから貰った古代さんのサイン(家宝)。右下を見ると分かりますが、アルファレコード時代の色紙です。
サインを貰いに行っておきながらサインを見せるのも変な話なのですが、「覚えてらっしゃいますか?」とお尋ねしたところ『すげぇ!』と言っていただけました。
いい思い出になりました。
…あ!市原さんのサイン頂くの忘れてた!
今回ゲットしたもの
今回のコンサートで購入したもの、頂いたものをご紹介します。
NJBPブース
【問題】次の3つの作品を左から順番に答えなさい。
【答え】「ザ・スキーム」「アクトレイザー」「ミスティーブルー」
簡単でしたね(ニッコリ)。
UMAAブース
BEEPブース
その他(来場者全員配布)
コシロ印のビスコ、貰えてうれしかったんですけど、こんなの勿体なくて食えませんよ(笑)。
行けなかった皆さんに朗報!
今回の「古代祭り」、行きたくても遠方で行けなかった方、開催を後から知って後悔している方など、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでNJBPさまから朗報です。
【超速報】12月1日に開催された熱狂の #古代祭り CD/DVD化が決定!
「交響組曲アクトレイザー2018」を筆頭に、コンサートを全編収録!(予定)
さらに昨年9月に所沢で開催された"NJBP Concert #0「飛翔」"も収録の豪華2本立て!
発売日等の詳細は決定次第お知らせいたします。どうぞお楽しみに!#NJBPpic.twitter.com/zdE9q0l052— 新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団 (@NewJapanBGMPhil) 2018年12月2日
「古代祭り」奇跡のCD/DVD化。これはもう買うしかない。皆さんにもこの感動を味わっていただきたいです。
ということで以上、「古代祭り」レポでした。
またNJBPコンサート行きたい!!
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