ゲームサントラについて語る006『SEGA GAME MUSIC VOL.3』
今回ご紹介するゲームサントラは「SEGA GAME MUSIC VOL.3」です。毎回古くてすいません、私が80年代、90年代のゲームが大好きなので。しかもいきなり「VOL.3」だし。
このサントラにはジャケット写真のとおり「アフターバーナー」のサントラが収録されているのですが、その他にも「エイリアンシンドローム」「スーパーハングオン」「SDI」「ダンクショット」のサントラも収録されています。
簡単にゲームを紹介
アフターバーナー(II)
「アフターバーナー」は1987年に稼働を開始したセガのアーケードゲーム。セガの超有名ゲームですね、映画「ターミネーターII」でジョン・コナーが遊んでましたね。作曲は川口博史さん(Hiro師匠)です。
操縦桿の動きに合わせ、ゆりかごのようにシートが動く体感ゲームです。大ヒットした映画、トム・クルーズの「トップガン」からインスピレーションを受けて、セガAM2研の鈴木裕氏が企画したと言われています。
一般的に流通していたのはスロットルレバーの付いた「アフターバーナーII」の方ですが、私は幸運にも「I(無印)」も遊んだことあります。速度に変化をつけて敵をやり過ごすことができないので、激ムズでしたが。
ゲームといえばそれまでなのですが、空中給油でミサイルが補給されるのが謎でした(笑)
エイリアンシンドローム
「エイリアンシンドローム」も同じく1987年に稼働を開始したセガのアーケードゲーム。昔よくあった俯瞰画面のアクションゲームですね。時限爆弾が爆発する前に仲間を助けて脱出するというルールでした。
ひょっとするとこちらは、前年に公開されたジェームズ・キャメロン監督の映画「エイリアン2」の影響を受けているのかもしれませんね。
セガ・マークIIIやファミコンにも移植されてましたし、PS2や3DSでも復刻されていますので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。それにしてもグロいゲームです。
このゲームのBGMは中林亨さんが担当されています。
スーパーハングオン
「スーパーハングオン」も1987年に稼働を開始したアーケードゲーム。バイク型の筐体にまたがって遊ぶ体感ゲームです。前作「ハングオン」より映像表現がパワーアップ。速度の限界を突破する(280km/h→324km/h)スーパーチャージャーボタンなども追加されていました。
BGMは林克洋さん(ファンキーK.H.)、並木晃一さん(プリティK.N.)、大和田茂さん(Recruit O)の3名が担当されています。
メガドライブへの移植が発表された時、あの素晴らしいBGM達はどうなるのかと心配していましたが、音色まで結構忠実に再現されていて驚きましたね。ただ、バイクの切り返しがやたらと重くて、爽快感のないレースゲームになってましたが。
SDI
「SDI」も1987年に稼働を開始したセガのアーケードゲームです。当時アメリカのレーガン大統領が発表した戦略防衛構想(Strategic Defense Initiative)の略称がタイトルになっています。
当時ニュースで、軍事衛星がICBMを撃ち落とすCGが公開されたりして、子供ながらワクテカしてたのを覚えています。物騒な内容であることなど知る由もなかったのですが(笑)
こちらはトラックボールで照準を動かし、8方向レバーで自機を動かすという、ちょっと変わった操作体系。私はセガ・マスターシステム(マークIII)でハマりましたね。ボタンで照準と自機移動を切り替えるという、なんとも苦しい操作性でした。マスターシステムで遊んだ時のBGM(FM音源版)は結構頑張って再現されていたと思います。
「SDI」の作曲は、「スーパーハングオン」でも曲を書かれている林克洋さん(ファンキーK.H.)です。
ダンクショット
そして最後は「ダンクショット」1987年稼働のアーケードゲーム。その名のとおり、バスケットボールのゲームです。真上からコートを見下ろした画面で、こちらもトラックボールで操作します。
残念ながら私はプレイしたことありません。こちらの作曲は色々調べたけど不明。ライナーノーツに「BGM5人衆」というキーワードが出てきますので、ひょっとすると上記の5名が関わっているのかもしれません。
アルバムのデータ
アルバム名(日) | セガ・ゲーム・ミュージック VOL.3 アフターバーナー |
アルバム名(英) | SEGA GAME MUSIC VOL.1 AFTER BURNER |
アーティスト | 川口博史/中林亨/林克洋/並木晃一/大和田茂 |
カタログ番号 | 28XA-109 |
出版元 | アルファレコード/G.M.O. |
販売価格 | 2,800円(税抜) |
収録曲数 | 5曲 |
収録時間 | 58分47秒 |
作曲者はどんな人?
川口博史さん(Hiro師匠)
1トラック目の「アフターバーナー」を作曲されているのが、ゲームミュージックの作曲家として著名な川口博史さん、通称Hiro師匠。
「アフターバーナー」以外にも、「ハングオン」「スペースハリアー」「ファンタジーゾーン」「アウトラン」「パワードリフト」など、セガの超名作ゲームに携わっておられます。
セガのゲームミュージックバンド「S.S.T.BAND」結成当時からのメンバーで、担当はキーボード。S.S.T.BANDの方は『デェ〜イトォ〜ナァァァ〜』で有名な光吉猛修さんと交代する形で脱退されています。Hiro師匠曰く「遅刻が多かったため交代させられた」とか。
「東京ゲーム音楽ショー」にも度々ご来場。トークショーで生Hiro師匠を拝見することができて、私は幸せです。
中林亨さん(マスター)
2トラック目の「エイリアンシンドローム」を作曲されているのが中林亨さん。中林さんについてはあまり詳しく知らないのですが、他に「獣王記」「ゴールデンアックス」などを手がけられているようです。
ん〜情報が薄い(笑)。これからも調査して追記していきます。
林克洋さん(ファンキーK.H.)
3トラック目「スーパーハングオン」の曲『Sprinter』『Goal』と、4トラック目「SDI」の作曲をされているのが林克洋さん。
林さんは1984年セガに入社。「北斗の拳」や「阿修羅」など、古くからセガゲーの音楽に携わっておられます。その他にも「ギャラクシーフォース」や「ゲイングランド」なども。
しかし、セガは1988年に退社。その後も音楽活動は続けられているようです。
並木晃一さん(プリティK.N.)
3トラック目「スーパーハングオン」の『Opening』『Winning Run』『Name Entry』を作曲されているのが並木晃一さん。
セガのゲームミュージックバンド「S.S.T.BAND」のリーダーでギタリスト。S.S.T.BANDではMickey名義でご活躍。S.S.T.BAND解散後は、『デェ〜イトォ〜ナァァァ〜』で有名な光吉猛修さん(しつこい)と、「B-univ」を結成。
代表作は「スーパーハングオン」「ギャラクシーフォース」「サンダーブレード」などなど。セガの体感ゲーム黄金期を支えたお一人ですね。
1995年のB-univ活動終了とともにセガを退社。現在もフリーの作曲家として活動されています。並木さんも「東京ゲーム音楽ショー」にご来場されてますね。
大和田茂さん(Recruit O)
3トラック目「スーパーハングオン」の『Hard Road』を作曲されているのが大和田さんです。が、大和田さんは更に謎が多い。他に手がけられている作品が不明です。
こちらも情報が入り次第、更新していきたいと思っております。
収録曲紹介
01 | アフターバーナー:Maximum Power ~ Final Take Off ~ Red Out ~ Super Stripe ~ After Burner ~ City 202 | 17:39 |
02 | エイリアン・シンドローム:Title ~ Round Display ~ Dooms Day (Main BGM) ~ Killer Instinct (Boss BGM) ~ Ending ~ Name Entry | 4:12 |
03 | スパー・ハング・オン:Opening ~ Hard Road ~ Outride A Crisis ~ Sprinter ~ Winning Run ~ Goal ~ Name Entry | 12:59 |
04 | S.D.I.:Illusion ~ An Imminent War ~ Sky Sun ~ System Down ~ Satellite Attack ~ Perfect ~ We Are Desirous Of Peace (Ending) ~ Blue Moon (Name Entry) | 10:46 |
05 | ダンク・ショット:Team Select ~ Beat Away ~ Toast! ~ Hide & Seak ~ Winning Ceremony ~ One on One ~ The Fight ~ Winning Song ~ Ranking | 13:11 |
初期のゲームサントラにありがちな、ゲーム毎にトラック分けされているパターンのやつです。聴きたい曲があっても思いどおりに飛ばせない。
ですが、収録データはトラックとは別にチャプター分けされておりまして、チャプター機能に対応したCDプレーヤーであれば、ちゃんと選曲できるようになっています(私はPioneerのターンテーブル機で確認しました)。でも今どきのプレーヤーにはそんな機能は付いていないと思うので、不便なことに変わりはない。
「アフターバーナー」はエレキギターのサンプリングが印象的なハードロック。ゲーム本編バージョンでは、メロディーパートがゲームの邪魔をするということでカットされていますが、このアルバムに収録されているのは、いわゆる”メロディーパート有りバージョン”です。
ゲーセンどおりメロディー無しが聴きたい!という方は、サイトロンの1500シリーズなど、他のアルバムをお探しください。ちなみに私はゲームで遊ぶより先にこのアルバムを聴いてしまったので、こっちが本物と思っているタイプです。
私のオススメ曲は『After Burner』ですかね。この曲は異常に格好いい。サビのメロディラインとか超良くないですか?一時期狂ったように聴いていましたね、曲飛ばせないから不便でしたけど。
その他のゲームでオススメなのは「スーパーハングオン」の『Hard Road』『Outride A Crisis』『Sprinter』『Winning Run』の4曲。ということはメイン曲全部ですね(笑)。レースゲームにピッタリな曲でどれも素晴らしい。ドライブ中に聴いても気分がアガります。
あと、「SDI」の『System Down』の強烈にプッシュしたい。重厚なイントロと、FM音源で奏でられるズシリと重いチョッパーベースが最高です。「SDI」というSFの世界観にも非常にマッチした曲なんですよね。
ちなみに『System Down』は、1992年に日本青年館で開催された「ゲームミュージックフェスティバル’92」で、S.S.T.BANDが生演奏をしています(Blue Moon ~ System Downのメドレー)。こちらもひたすらカッコイイので是非聴いていただきたいです。
今回ご紹介した「SEGA GAME MUSIC VOL.3」は、1987年発売という大変古いサントラですが、2000年頃にサイトロンから復刻されているので、入手はそこまで難しくはないと思います。多分中古で2,000円くらいかな?おまけにサイトロン盤は曲毎にトラック分けされているので、買うならそっちがオススメです。
ではまた。
あれ?「エイリアンシンドローム」と「ダンクショット」は?…ま、いっか(笑)
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