他人と被らない車に乗りたい人は「スズキ SX4 S-CROSS」がオススメ

2019年6月19日

SUZUKI SX4 S-CROSS

皆さんこんにちは。ドライブとモータースポーツのTV観戦が好きだけど、自動車に関する知識は浅いシオナイト(@sheonite)です。プリウスは確か後輪にチェーンを巻くんですよね(違)

さて私、2018年7月に「スズキ SX4 S-CROSS」を買いまして、まもなく1年が経過しようとしています。個人的に気に入っている車なのですが、あまり人気が無いせいか、紹介記事などもほとんど目にしません。

ということで、シロートなのに大変おこがましいですが、1年間乗ってみての感想などを紹介させていただきたいと思います。

ちなみにこの「スズキ SX4 S-CROSS」、2019年4月のマイナーチェンジで、欠点とされていた安全装備がかなり拡充されております(安全装備以外には変更なし)。このレビューはマイナーチェンジ前の車種をベースに書いておりますので、予めご了承ください。

製品概要

スズキ SX4 S-CROSS」は、スズキが発売するクロスオーバーSUVです。『小さな車、大きな未来』をキャッチフレーズとする同社としては、同じジャンルに属するエスクードと並んで、かなり大きい車だと思います。

これが「スズキ SX4 S-CROSS」です。
これが「スズキ SX4 S-CROSS」です。

スズキ SX4 S-CROSS」は2015年に登場したスズキの世界戦略車。国内に製造拠点は無く、全てハンガリーのマジャールスズキで製造され、日本に輸入されています。

メーター周り。中央のディスプレイは白黒です。
メーター周り。中央のディスプレイは白黒です。

私が購入したモデルは2017年7月にマイナーチェンジされたもの。以前のモデルとはだいぶ顔つきが変わりました。

顔が変わる前のSX4(Wikipediaより)
顔が変わる前のSX4(Wikipediaより)

顔つき以外にも色々手を加えられてますが、詳細は割愛します。あ、トランスミッションがCVTから6ATに変わり、燃費が悪化してますね。今時珍しい改悪ですが、個人的にはCVT嫌いなのでまぁいいかなと思ってます。

乗り心地は普通に良いです。エンジンが自然吸気の1.6Lなのでパワーが足りないのではと心配していたのですが、意外にそんなことはなかった。4WD車限定になりますが、パワーが足りない場面ではALLGRIPのスイッチをSPORT側に入れると本気を出してくれます。

17インチアルミホイール(切削加工&ブラック塗装)。標準装備です。
17インチアルミホイール(切削加工&ブラック塗装)。標準装備です。

シート座面の高さを変えられたり、ステアリングが上下だけでなく、前後にも動かせるので、好みのドライビングポジションに合わせることができます。私はステアリングが手前にある方が好みなのでこれは助かる。

運転席周り。シートの種類が選べないのは残念。4WD車はシートヒーター付き。
運転席周り。シートの種類が選べないのは残念。4WD車はシートヒーター付き。

乗車定員は5名。エスクードと乗り比べたのですが、後部座席の膝の前にできる空間はSX4の方が広いです。後部座席の広さは購入時のポイントでした。あと、エスクードはインテリアもエクステリアもちょっと若者向きな気がしたので(汗)

後部座席。中央には加藤式の肘掛け&カップホルダー。足元はエスクードより広いです。
後部座席。中央には加藤式の肘掛け&カップホルダー。足元はエスクードより広いです。

以前は同じスズキの「SWIFT」に乗っていたのですが、それに比べると流石に車がデカい分、収納スペースはたっぷりあります。

肘掛けは少しだけ前にスライドします。だからどうしたレベル。
肘掛けは少しだけ前にスライドします。だからどうしたレベル。
肘掛けの中は収納、結構深くて良いけどトレイが欲しかった。底に丸い蓋があったのでスズキに「USBのソケット付けてください」ってお願いしたけど無理だった。
肘掛けの中は収納、結構深くて良いけどトレイが欲しかった。底に丸い蓋があったのでスズキに「USBのソケット付けてください」ってお願いしたけど無理だった。
バックミラー手前には、サングラスなどを入れる収納が。サングラス持ってない。
バックミラー手前には、サングラスなどを入れる収納が。サングラス持ってない。

スズキの方に聞いたらトランクスペースにはゴルフバッグ横向きでは入らないって言われたけど、SX4公式サイトでは「ゴルフバッグ3つ入るぜ」とアピールされています。まぁ無理しなくても、長尺ものは後部座席を前に倒して縦に入れられます。

トランクスペース。底板を外すと更に10センチくらい収納が深くなります。
トランクスペース。底板を外すと更に10センチくらい収納が深くなります。ゴルフバッグを真横に入れるのはかなりキツキツ。後部座席を倒すと長尺ものは入ります。

オーディオは標準では付いていないので、スズキ純正オプションのカーナビを付けました。あと、標準装備のスピーカーはアレなので、フロントとリアのスピーカーをオプション品に取り替え、フロントのツイーターを追加しました。ゲームミュージックをいい音で聴くためにここは妥協できません。

Panasonic製スズキ純正ナビ。パナで言うところの「ストラーダ」ですね。もちろんこれはオプションです。
Panasonic製スズキ純正ナビ。パナで言うところの「ストラーダ」ですね。もちろんこれはオプションです。

諸元表

今更古いモデルの諸元を紹介してもしょうがないので、2019年4月のマイナーチェンジモデルのものをざっくりと紹介いたします。

駆動方式が異なる2車種しかありません。潔い。

項目2WD4WD
型式DBA-YA22SDBA-YB22S
機種名SX4 S-CROSS同左
燃料消費率(km/L)16.215.2
総排気量(L)1.586同左
最高出力(kW/rpm)ネット86<117PS>/6,000同左
最大トルク(N・m/rpm)ネット151<15.4kg・m>/4,400同左
燃料タンク容量(L)47同左
使用燃料無鉛レギュラーガソリン同左
車両重量(kg)1,1501,220
乗車定員(名)5同左
タイヤ215/55R17 94V同左
車両サイズ(スズキ公式より)
車両サイズ(スズキ公式より)

 

それでは続いて、購入して良かったと思えた点と、微妙だった点を独断と偏見で紹介したいと思います(異論は認める)

購入して良かった点

特徴ある外観

写真のとおり個性的な顔立ちをしています。好き嫌いが分かれそうな感じです。スズキの現行車種には似た顔つきのものは無いですね。よく、欧州市場を意識していると言われています。意識しているというか、モロ欧州で製造しているのですが。

BMWオーナーには申し訳ないですけど、どことなくBMWっぽい(笑)

特徴あるグリル。好き嫌いが分かれそうですが。
特徴あるグリル。好き嫌いが分かれそうですが。

顔つきはマイナーチェンジでガラリと変わりましたが、リア周り(コンビネーションランプ等)は前のモデルのまんまだったと思います。

お尻のデザインはマイナーチェンジ前と変わってない(と思う)
お尻のデザインはマイナーチェンジ前と変わってない(と思う)

SUVにしては比較的安いかも?

2019年4月モデルの値段ですが、FF車が2,140,560円、4WD車が2,356,560円(ともに税込)です。私が購入した安全装備が着く前の値段は、これから大体▲10万円くらいだったかな。

他メーカーの同クラス車種との価格比較はあえてしませんが、装備の充実っぷりを考えると、なかなかお得な値段なんじゃないかなと思います。値引きも結構してもらえましたよ(具体的には言えないが)

標準装備で色々付いている

素の状態でも結構色々と装備が付いています

  • LEDヘッドランプ(リアもLED)
  • マニュアルモード付きパドルシフト
  • オートクルーズ
  • テレスコピック
  • 自動防眩ミラー
  • オートワイパー
  • シートヒーター(4WD車のみ)
  • キーレスエントリー
  • イモビライザー
  • セキュリティアラーム

などなど。逆に後付けできるものが少ないのが欠点かな。

リアのコンビネーションランプもLEDです。
リアのコンビネーションランプもLEDです。
ステアリング周り。左にオーディオのボタン、右にオートクルーズ。分かりづらいですがパドルシフトも付いてます。
ステアリング周り。左にオーディオのボタン、右にオートクルーズ。分かりづらいですがパドルシフトも付いてます。
自動防眩ミラー。エンジンかけると動作ランプが付きます。自動防眩...どういう原理かわかりません。
自動防眩ミラー。エンジンかけると動作ランプが付きます。自動防眩…どういう原理かわかりません。
シートヒーターは4WD車のみ標準装備。
シートヒーターは4WD車のみ標準装備。
エアコンは運転席側と助手席側で別々に温度設定が可能です。
エアコンは運転席側と助手席側で別々に温度設定が可能です。

ALLGRIPが楽しい(4WD車限定)

4WD車には電子制御で走行モードを切り替える「ALLGRIP」のスイッチが付いています。

「ALLGRIP」の切り替えスイッチ。右に回すとSPORTモードに入ってパワーがぐんと上がります。
「ALLGRIP」の切り替えスイッチ。右に回すとSPORTモードに入ってパワーがぐんと上がります。

具体的には燃費重視の「AUTO」、4WDを積極的に使ってトルクが太くなる「SPORT」、雪道走行用の「SNOW」、スタックした時に空転するタイヤにブレーキをかけ、グリップしているタイヤに最大限のトルクを配分する「LOCK」の4種類です。

通常走行では「SPORT」以外使うことがありません(宝の持ち腐れ感)。でも「SPORT」に入れた時の「車が軽くなった感」はなかなか面白いです。当然燃費は悪化しますが。

輸入車である

スズキのハンガリー工場「マジャールスズキ」で製造され、日本に輸入されています。私が商談している時も「いま4WD車が1台だけ、船で日本に運ばれています」という会話が繰り広げられました。それにしても1台だけ輸送って、非効率過ぎないか?(笑)

スズキのハンガリー工場「マジャールスズキ」の表示が。
スズキのハンガリー工場「マジャールスズキ」の表示が。

登録上は輸入車扱い。なんか響きがいいですね(単純)

街で同じ車に遭遇しない

これ、かなりのポイントだと思います。購入して一年、同じ車に乗っている人がいないか対向車を凝視していましたが、すれ違ったのは今まで2回だけ。福岡での遭遇率はフェラーリより低い(本当)です。スズキは自ら年間販売目標600台と言っておりましたが、実際はもっと少ないんじゃないでしょうか?

ガソリンスタンドでもバイト君同士が「この車見たことない」と会話してたり、洗車をお願いすると「価格表に該当車種が載ってない」と言われたりします(載ってます!)。知名度低すぎ。

2019年4月のマイナーチェンジ以降、TVCM放送もちょっとだけ目にするようになりましたが、私が購入した時なんてCM流れてませんでしたからね。

微妙だった点

安全装備がイマドキじゃない

※2019年4月モデルでは一部解消しました!

これはあくまで私が昨年購入したモデル(2017年7月マイナーチェンジモデル)の話ですが、自動ブレーキなんて付いてませんでした。その他、アクセル踏み間違い防止機構もない、オートクルーズも追従式じゃない。

しかし、法改正への対応もあってか、2019年4月のマイナーチェンジで「レーダーブレーキサポートII」が搭載され、自動ブレーキや追従式オートクルーズに対応しています。

その他、サイドエアバッグも装備され、安全装備の貧弱さはほぼ解消されたといっても過言ではないでしょう。

燃費はあまり期待できない

ハイブリッド車でもなければスズキお得意のマイルドハイブリッドでもありません。かといってデュアルジェットエンジンでもないし、アイドリングストップもない。ちょっと時代遅れ感がありますね。その分イニシャルコストが掛からないから私は構わないけど。

燃費は2WD車が16.2km/L、4WD車が15.2km/Lです。車格の割には頑張っていると思いますが、最近の燃費至上主義的な風潮からすると見劣りするのはしょうがない。おまけに2017年のマイナーチェンジで燃費悪くなってますしねぇ。

上位グレードでアイドリングストップとかマイルドハイブリッドに対応すればいいのに。スズキも商売が下手だなぁ。

純正アクセサリーが少ない

標準装備が充実している反面、純正オプションが少ないです。スイフトやジムニー、ハスラー、クロスビー等と比べると圧倒的に少ない。アクセサリーカタログの薄さにガッカリします。

また、一部アクセサリーについては国内に在庫がなく、注文してから時間が掛かるものもあります。ひょっとするとですが、故障などで修理に出した場合、すぐに直らない可能性もありますね…

リセールバリューが低い

契約前にスズキの方に言われたのですが、車を買い替える時のリセールバリュー(下取り価格)が、スズキの人気車種、ソリオやスイフトよりもかなり低いそうです。2019年4月のマイナーチェンジで安全装備の拡充が図られていますので、多少はマシになっているかもしれませんが、覚悟が必要です。

試乗車が無い

びっくりするくらい試乗車がありません。私が購入した時は福岡市内では1店舗のみで、わざわざ遠くまで乗りに行く羽目になりました(注:スズキに試乗予約をすれば、指定した日に最寄りの店舗まで持ってきてくれます)。

スズキ公式サイトにある「展示車・試乗車検索」で調べれば、その数の少なさが分かっていただけると思います。東京でさえ2店舗(台)ですよ!(全く無い県も多数ある)

販売台数を予測してみる

先ほど「街で遭遇しない」って書きましたが、どれだけ売れていないのか興味が湧いてきたので調べてみました。

自動車の販売台数は、日本自動車販売連合会で公表されていますので、まずはそちらを当たってみます。

はい、影もカタチもありません。まぁ輸入車扱いだから無いのはしょうがないか。と、思いつつ日本自動車輸入組合のサイトも確認しましたが、こちらにも無し。

う〜む、打つ手なしか。…なんて思ってたらスズキさまからタイミングよく完成検査に関わるリコールの発表がありました。しっかりしてくれスズキ!

販売された車両全部がリコール対象みたいなので、公表されたリコール対象車の台数を製造期間で割ってみれば、おおよその月間販売台数が出せそうです。

製造期間は平成27年5月から平成31年1月まで(44ヶ月)、台数は3,364台(2WD:1,303台、4WD:2,061)ですので、3,364台を44ヶ月で割ってみると、月平均76台!めちゃめちゃ少ない!!

ではここで、先ほどの日本自動車販売連合会のデータを元に、2018年(暦年)販売台数TOP10と比較してみましょう。

ブランド通称台数(年)月平均
ノート136,32411,360
アクア126,56110,546
プリウス115,4629,621
セレナ99,8658,322
シエンタ94,0487,837
ヴォクシー90,7597,563
フィット90,7207,560
カローラ89,9107,492
ヴィッツ87,2997,274
ルーミー86,2657,188
SX491276

※SX4は月想定76台×12ヶ月で計算

SX4、息をしてませんね…

今回のオススメ度

2019年4月モデルであれば★★★★☆(星四つ)です。減点ポイントは選べるモデルが少ない(低燃費車の設定がない)くらいですかね。人とは違う車に乗りたい!という願望を、比較的低価格で叶えてくれる車、かも。

2019年4月の安全装備充実でかなりお勧めできる車になりました。が、逆に言うと、以前のモデルを中古で買うのはあまりお勧めしません。スタイリングだけで決めたいというなら止めませんが。

ということで以上、「スズキ SX4 S-CROSS」の素人レビューでした。