「RetroDumper」と「Mega EverDrive」で快適なメガドラ環境を構築する

Retro Base Dumper V2

皆さんこんにちは。昔クリアできていたゲームをクリアできなくなったシオナイト(@sheonite)です。これが老いか。

以前、「Mega EverDrive Pro」というマルチカートリッジを使ってメガCDのゲームを遊ぶ方法を紹介しました。

それ以降、ヤフオクや駿河屋でメガCDゲームを買いまくっているのですが、思ったより…いや、思ったとおりメガCDは面白いゲームが少ない(笑)。

やっぱメガドラはROMカートリッジよねぇ。ということで、今回はROMカートリッジのデータを吸出して、「Mega EverDrive Pro」で使えるようにしたいと思います。

使用する製品はこちらです。

製品概要

今回購入したのは、Gamebankが発売している「Retro Base Dumper V2」。メガドライブ用ROMカートリッジのデータをコピーするためのツールです。

これが「レトロベースダンパー」のパッケージ。
これが「レトロベースダンパー」のパッケージ。
これが袋の中身。製品は静電気防止の袋に入っていますね。
これが袋の中身。製品は静電気防止の袋に入っていますね。

私が購入した時点では「Retro Base Dumper V2」という名称でしたが、いまは後継機種の「Retro Base Dumper V3」が販売されています(以降「RetroDumper」と記載)。

本製品を使用することで、ROMカートリッジのデータをパソコンに複製することができます。もちろん、カートリッジ側のデータは消えません。

これが製品の表面。手前にカートリッジのラベルがくるように挿します。
これが製品の表面。手前にカートリッジのラベルがくるように挿します。
ちなみにこちらが裏側。
ちなみにこちらが裏側。

複製したデータはエミュレータを使ってパソコンで動かしたり、先日ご紹介した「Mega EverDrive Pro」のようなフラッシュカートリッジを使うことで、メガドラの実機上で動作させることができます。

注意点としては、データの複製はご自身で所有しているカートリッジに限るということ。ゲームのプログラムは著作権法で保護されていますので、複製したデータを他人に配布したり、人から借りたROMからデータを複製するのはアウトです。

「ROMを持ってるんだったら複製する必要ないでしょ」と思われるかもしれませんが、RetroDumperとMega EverDrive Proの組み合わせには以下のような利点があります。

  • ゲーム毎にカートリッジを差し替える必要がなく、ROMカートリッジ特有の不具合(接触不良等)が起こりにくい
  • バッテリーバックアップ用の電池切れの心配がない

特に私は電池切れがなくなるのがうれしいです。中古ソフト屋さんで掘り出し物のゲームを見つけた際に、「でもセーブ用の電池がなぁ…」と諦める必要がなくなります。

また、本製品は各種カートリッジのアタッチメントを使用することで、複数のゲーム機のROMも読み込むことができます。

Analogue社の「Mega Sg」用SMSアタッチメントを使い、セガマークIIIの「ファンタシースター」を繋いだところ、問題なくデータを吸い出すことができました。

作業手順

RetroDumperを使用するための手順を簡単に説明します。

USBケーブルを用意する

RetroDumperをパソコンと接続するためには、USBケーブルが必要です。以前は製品に付属していたようなのですが、コストダウンのためか、いまは付属しておりません。

必要なのは片方がType-A、もう片方がType-Bという形状のケーブルです。プリンタやスキャナの接続に使用する、ちょっと特殊なケーブルですね。

これがType-AとType-BのUSBケーブル。私はたまたま某オーディオ雑誌に付いていたオーディオ用(なにそれ?)USBケーブルを持っていました。
これがType-AとType-BのUSBケーブル。私はたまたま某オーディオ雑誌に付いていたオーディオ用(なにそれ?)USBケーブルを持っていました。

自宅に余っているのが無ければ家電量販店に走りましょう(ネット通販でも可)。

エレコム エコ USBケーブル 2.0 A-microB 1.5m U2C-JAMB15BK

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ダンパーソフトをインストールする

Gamebankの公式サイトから取り込み用のソフトをダウンロードします。ソフトのダウンロードページはこちら

以前はゲーム機毎にクライアントソフトが分かれていましたが、いまは「マルチダンパークライアント」というものに統合されているみたいです。これをダウンロードしましょう。

こちらがクライアントソフト。2022年1月15日現在ですのであしからず。
こちらがクライアントソフト。2022年1月15日現在ですのであしからず。

ダウンロードしたファイルを解凍すると「mdx4_full_win_ほにゃらら(日付)」というフォルダと実行ファイルができると思いますので、任意の場所に保存しましょう。

これがクライアントソフト。ファイル名の後ろは日付(バージョン)ですね。頻繁に更新されているみたい。
これがクライアントソフト。ファイル名の後ろは日付(バージョン)ですね。頻繁に更新されているみたい。

注意点としては、保存先までのパスに2バイト文字(いわゆる全角の日本語)を入れないことです。

C:\Program Files\Dumper\mdx4_full_win

みたいな。要するにフォルダ名に日本語を付けるなということですね。

カセットの端子をクリーニング(任意)

これはおまじないみたいなものなので必要に応じて。

メガドラカートリッジの端子が汚れていると読取りエラーを起こしてしまう可能性がありますので、読み込み前に端子をクリーニングします。

使用するのは薬局で売ってる無水エタノールと綿棒。エタノールは無水と消毒用の2種類がありますが、消毒用には水分が含まれていますので、絶対に無水エタノールの方を使ってください。消毒用だと最悪、端子が腐食するらしいです。

薬局で売ってる無水エタノール。何本のカセットをクリーニングできるんだ?っていうくらい大容量です(笑)。
薬局で売ってる無水エタノール。何本のカセットをクリーニングできるんだ?っていうくらい大容量です(笑)。

レトロゲーム用の接点復活剤なども販売されていますが、あれは量が少ない割に高いのでおススメしません。

綿棒にエタノールを浸してグリグリと端子を掃除。
綿棒にエタノールを浸してグリグリと端子を掃除。

エタノールを付けた綿棒で端子部分をグリグリすると、綿棒が黒く汚れます。これがなかなか気持ちいい。

こんな感じで汚れが取れます。気持ちいい。
こんな感じで汚れが取れます。気持ちいい。

エタノールはあっという間に蒸発しますので、端子の掃除が終わったら次の工程へ。

ウィルス対策ソフトを停止する

ウイルス対策ソフトが常駐していると読み込みの際にエラーが出てしまうらしいので動作を停止させておきましょう。

手順はウィルス対策ソフトによって異なります。マカフィーだとこんな感じ。

私はPCにマカフィー入れているんですけど、こんな感じで停止させます。
私はPCにマカフィー入れているんですけど、こんな感じで停止させます。

ウィルス対策ソフトをインストールしていない場合でも、Windows Defenderは停止させる必要があるみたいです。Microsoftのサポートサイトで手順が紹介されていますので、そちらをご覧ください。

ROMカートリッジを挿してPCと接続する

RetroDumperに吸い出したいカートリッジを挿します。基板上にどちらが正面か矢印が書いてありますので、カートリッジのラベルが正面に来るように挿してくださいね。

RetroDumperの基板上にどちらが前になるのか矢印が書かれています。間違えないように。
RetroDumperの基板上にどちらが前になるのか矢印が書かれています。間違えないように。

カートリッジを挿したらUSBケーブルでPCと接続しましょう。

PCに接続すると基板上のLEDが点灯します。
PCに接続すると基板上のLEDが点灯します。
PCのエクスプローラ上では、あらたなストレージがマウントされます。これで接続OK。
PCのエクスプローラ上では、あらたなストレージがマウントされます。これで接続OK。

クライアントソフトでデータを吸い出す

では先程ダウンロードしたクライアントを起動しましょう。アイコンをダブルクリック。

起動したらまず右上の「Info」ボタンを押して、カートリッジがきちんと接続されているか、データに損傷はないか確認します。

クライアントを起動したら、まずは右上の「Info」を押して正常性を確認します。
クライアントを起動したら、まずは右上の「Info」を押して正常性を確認します。

データの情報は中央下の黒い画面に表示されます。なにもエラーが表示されなければ、次は「Dump」ボタンを押します。

黒い部分にカートリッジのデータが表示されます。これは「ロケットナイトアドベンチャー」ですね。エラーが表示されていなければ「Dump」を押しましょう。
黒い部分にカートリッジのデータが表示されます。これは「ロケットナイトアドベンチャー」ですね。エラーが表示されていなければ「Dump」を押しましょう。

データ保存画面が出ますので、適当なファイル名を付けて保存します。こちらも2バイト文字は避けるのが賢明です。

保存の画面。ゲーム名がわかるようなファイル名にしましょう。
保存の画面。ゲーム名がわかるようなファイル名にしましょう。

保存ボタンを押したらプログレスバーがにゅ~っと伸びた後、黒い画面に「Success!」と表示されます。これで吸い出し完了。

黒い画面に「Success!」と表示されたらOK。無事に吸い出し完了です。
黒い画面に「Success!」と表示されたらOK。無事に吸い出し完了です。

遊ぶ

吸い出しが完了したら「(任意のファイル名).md」というようなファイルが生成されます。

これが吸い出し後に生成されたファイル。この時は「ロケットナイトアドベンチャー」を吸い出したので、ファイル名が「Rocket_Knight.md」になっています。
これが吸い出し後に生成されたファイル。この時は「ロケットナイトアドベンチャー」を吸い出したので、ファイル名が「Rocket_Knight.md」になっています。

あとは「Mega EverDrive Pro」のようなマルチカートリッジに移すなり、PC用のエミュレータで起動すればゲームで遊ぶことができます。

「Mega EverDrive」で吸い出したROMを実行。壁紙がゴールデンアックスなのは気にしないでください(笑)。
「Mega EverDrive」で吸い出したROMを実行。壁紙がゴールデンアックスなのは気にしないでください(笑)。

上でも書きましたが、バッテリーバックアップ対応のゲームを、電池切れの心配なく遊べるのが本当にありがたいです。

こちらは「シャイニング・アンド・ザ・ダクネス」の起動画面。電池切れの心配がないので死ぬまで遊べそうです(言い過ぎ)。
こちらは「シャイニング・アンド・ザ・ダクネス」の起動画面。電池切れの心配がないので死ぬまで遊べそうです(言い過ぎ)。

あとがき

ということで以上、「RetroDumper」を使ったメガドライブROMのデータ吸出しでした。

あんまり一般の方には関わりのないマニアックなネタでしたね。まぁ「Mega EverDrive Pro」のようなマルチカートリッジを持っている方には必携なアイテムだとは思いますが。

ただ、半導体不足の影響もあって、私が購入した時よりもだいぶ製品価格が上がってますねぇ…

繰り返しになりますが、くれぐれも吸い出したデータを他人に配布したりしたらダメですよ。「NO MORE 映画泥棒」みたいな結末になりますので。

それではまた。

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