ゲームサントラについて語る003『ベア・ナックル/古代祐三』
今回ご紹介するゲームサントラは「ベア・ナックル/古代祐三」です。前回、前々回に引き続き古代祐三さんのアルバムですね。まだまだ続きます(笑)
「ベア・ナックル 怒りの鉄拳」は、1991年にセガから発売されたメガドライブ用のベルトスクロール(横スクロール)アクションゲーム。
画面を見てお分かりのとおり、「ベア・ナックル」は1989年に登場して大ヒットしたアーケードゲーム「ファイナルファイト」の影響を強く受けたアクションゲームです。
とはいうものの、システム自体は同じくセガの「ゴールデンアックス」をベースにしている模様で、ボタン同時押しによる後方攻撃や、画面全体の敵にダメージを与えるスペシャル攻撃にその名残があります。
「ベア・ナックル」はゲームそのものも面白いのですが、何と言っても古代祐三さんによるBGMがウリ。ハウス・ミュージックをを「ベア・ナックル」で知ったという方、結構多かったんじゃないでしょうか。
アルバムのデータ
アルバム名(日) | ベア・ナックル/古代祐三 |
アルバム名(英) | BARE KNUCKLE / YUZO KOSHIRO |
アーティスト | 古代祐三 |
カタログ番号 | ALCA-181 |
出版元 | アルファレコード/G.M.O. |
販売価格 | 2,500円(税抜) |
収録曲数 | 24曲 |
収録時間 | 60分14秒 |
作曲者はどんな人?
3歳からピアノ、5歳でヴァイオリン、チェロを一通り学び、8歳頃から久石譲に師事し、基礎的な音楽訓練を受ける…という能書きは、ゲームミュージックファンにはおなじみのテンプレですね。
高校生の頃、電波新聞社出版のコンピューター誌『マイコンBASICマガジン』(通称ベーマガ)で「YK-2」名義で音楽担当となり、ライター活動をされていました。この頃私もベーマガ買ってましたし、古代さんのMMLを打ち込んだりしてた気がします。
高校卒業後に日本ファルコムにバイトで入社。採用試験の際に持ち込んだ楽曲が『ザナドゥ・シナリオ2』のオープニングと『イース』のエンディングで使用されています。確か『イース』のエンディングは勝手に使ったとご本人が仰っていました。
日本ファルコムでは『ロマンシア』(オープニング曲)、『ドラゴンスレイヤーIV』(全曲)、『イース』(ほぼ全曲)、『ソーサリアン』(7割くらい?)、『イースII』(3割くらい?)の楽曲を手掛けられた後、フリーランスに転向。
この「ベア・ナックル/古代祐三」は、フリーに転向されてから3枚目のアルバムになります。それ以前の作品「ザ・スキーム」と「ザ・スーパー忍&ワークス」については、以前に記事を書いていますので、良かったらそちらをご覧ください。
古代さんは現在も第一線で活動されている、ベテランゲームミュージックコンポーザー(レジェンド級)です。
…なお、上記テンプレは今後もアップデートしていく予定(笑)
収録曲紹介
01 | The Street of Rage | 2:03 |
02 | Player Select | 0:48 |
03 | Fighting in the Street | 4:52 |
04 | Attack the Barbarian | 2:47 |
05 | Round Clear | 0:12 |
06 | Dilapidated Town | 3:19 |
07 | Moon Beach | 2:55 |
08 | Keep the groovin' | 3:24 |
09 | Beatnik on the Ship | 2:30 |
10 | Stealthy Steps | 2:37 |
11 | Violent Breathing | 1:50 |
12 | The Last Soul | 3:10 |
13 | Big Boss | 1:50 |
14 | My little baby (good ending) | 1:58 |
15 | You Became the Bad Guy! | 2:10 |
16 | Up & Up | 2:12 |
17 | The Super Three | 1:30 |
18 | Name Entry | 2:33 |
19 | Game Over | 0:11 |
20 | The Street of Rage(アレンジ) | 2:07 |
21 | Fighting in the Street(アレンジ) | 3:07 |
22 | The Last Soul(アレンジ) | 4:13 |
23 | Keep the groovin!(アレンジ) | 4:43 |
24 | You Became the Bad Guy!(アレンジ) | 3:13 |
オリジナルバージョンが19曲、アレンジバージョンが5曲の計24曲です。16曲目の『Up & UP』、17曲目の『The Super Three』、18曲目の『Name Entry』は未使用曲。
「ベア・ナックル」自体はメガドライブの作品なんですけど、CDには古代さんが作曲で使われたPC-8801のサウンドボードIIバージョンが収録されています。
聴いてみるとわかるのですが、メガドライブ(CDはPC88だけど)の音源で、リズムマシン(TR-808あたり?)の音を再現しててビビります。本当に凄い。
私のイチオシは、なんといってもROUND1の『Fighting in the Street』。これはメガドラの音じゃないでしょ!?(PC88ですが)と、耳を疑いたくなるくらい迫力のある曲です。ROUND3の『Moon Beach』、ボス曲の『Attack the Barbarian』もオススメ。音量を上げまくって聴きたくなります。
そういえば、ROUND4の曲『Keep the groovin’』は当時、FNN系列の夕方のニュースで使われたことがありました(夏の甲子園が雨で順延されたニュースだった)。あの頃って、ゲームミュージックがテレビで流れることがほとんどなかったので鮮明に覚えています。
20曲目から24曲目はアレンジバージョン。これまで「ザ・スキーム」、「ザ・スーパー忍&ワークス」と、アレンジにも関わってこられた古代さんでしたが、この作品では関与されていないようです。仕上がってみたら『ハウスじゃなくなってた(本人談)』とか(笑)
ちなみに豆知識ですが、5曲目の『Round Clear』は、異星人に地球の音楽を送る企画、「Sonar Calling GJ273b」で採用された唯一のゲームミュージックです。宇宙人も聴いています(不確定)
皆さんに是非聴いていただきたいアルバムですが、現在入手は困難です。少し前にWAVE MASTERから復刻版が出ておりましたが、こちらも高値がついている模様。
でも、ダウンロード販売で構わないということであれば、「古代祐三ベスト・セレクション Vol.6:ベア・ナックル 怒りの鉄拳 オリジナル・サウンドトラック」がiTunes Storeで販売されていますので、そちらをご検討ください。
ではまた。
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