薄っぺらい映画評「謝罪の王様」

2019年6月23日

謝罪の王様

東京謝罪センターの「謝罪師」、黒島譲(阿部サダヲ)が、高度な謝罪テクニックを駆使してありとあらゆる問題(追突事故から国際問題まで)を解決していくオムニバス映画『謝罪の王様』を観てきました。

オムニバスといっても、それぞれのエピソードが関係性を持っています。時系列はバラバラなんですけど、そのへんは映画中盤から色々とわかってきます。ゲームに例えるとチュンソフトの「街」とか「428」みたいな感じかな?

主演は阿部サダヲ、脚本が宮藤官九郎です。ヒロインか井上真央だったんですけど、最後の方まで気づかなかった(笑)。井上真央って結構明るく元気な役が多いと思うんですけど、この映画のような変わった役もハマってましたね。ていうかこういう井上真央はなんか好き(笑)。

映画序盤に語られる、謝罪のポイントとか相手の心理状態の解説が非常に面白い。前半はテンポが凄くいいので、グイグイ引き込まれます。岡田将生のセクハラダメ人間っぷりも良かったし、竹野内豊のちょっぴり感動的なエピソードも良かったです。

んが、中盤から段々とダレてきます。なんか、前半とは別の映画みたいな感じ。オチといっていいのか決めゼリフといっていいのかわかんないんですけど、終盤は「小学生しか笑わないよね」的な事を延々と繰り返されます。んーなんか観ているこっちが恥ずかしい。

そして一番ビックリしたのが最後のエピソード。インド映画よろしく、歌と踊りを延々見せつけられます、フルコーラスで。歌ってるのが「E-girls」とかいうavex系の女性アイドルユニットらしいんですが、なんか結局「E-girlsの曲を売りたかったんだな」って思えちゃって、最後の最後で興ざめしてしまいました。

「中学生円山」と同じように、かなり観る人を選ぶ映画です。クドカン映画をあまり知らない人が、『あまちゃんのクドカンだから面白そう』なんて軽い気持ちで観ちゃったら、割と痛い目にあうと思いますよ(笑)。

あ、ちなみに私はクドカンファンですよ、念のために言っときますけど(笑)。

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