メガCDの機能を再現するカートリッジ「Mega EverDrive Pro」を買ったら想像以上に凄かった件
皆さんこんにちは。メガCDといえばゲームアーツと思っているシオナイト(@sheonite)です。
前々から欲しくて欲しくてたまらなかったレトロゲーム系ハード、「Mega EverDrive Pro」を購入しましたので紹介します。
これ、メガドライブのカートリッジスロットに接続すると、メガCD本体と同じ機能を再現してくれるという、凄すぎるハードなんです。
メガCDとは
メガCDとは、セガ・エンタープライゼスが1991年12月12日に発売した、メガドライブ用の周辺機器です。当時の小売希望価格は49,800円。現在との物価の違いを考えると、恐ろしく高価なハードでした。
機能としてはその名のとおり、メガドライブでCD-ROMのゲームをプレイするためのものです。
メガドライブに搭載されているCPU、68000の高クロック版を搭載しており、ソフトにもよりますが、メガドラ本体の68000とZ80、メガCDの68000と、3つのCPUを駆使したゲームも開発が可能でした。
その他、メガドライブのガラガラ音声を改善すべく、クリアなPCM音源が8ch追加されていたり、ハードウェアで拡大・縮小・回転機能が実装されているなど、メガドライブの性能を拡張する機能が搭載されていました。
ただし、メガドライブの弱点であった、同時発色数が64色というところは改善されませんでしたけどね。
製品概要
「Mega EverDrive Pro」は、ウクライナのKriKzzが開発したメガドライブ用マルチカートリッジです。
ソフトウェアエミュレーションではなく、FPGAという集積回路を使い、ハードウェア的にメガCDの機能を再現しています。
このカートリッジをメガドライブ実機(または互換機)に接続すると、次のソフトウェアを動作させることが可能です。
- メガドライブ(32X含む)
- メガCD
- セガ・マークIII(マスターシステム)
- ファミコン
北米、日本、欧州等のリージョン関係なく動作します。海外のゲームは持ってませんけど。あと32Xのゲームを動かすには32Xの本体が必要です。
もちろん、上記ソフトを動作させるにはROMからデータを吸い出せる環境が必要になりますが、メガCDであればPC用の光学ドライブがあれば可能なので、いくぶんかハードルは低くなります。
あと、ファミコンは初期のゲームしか動かないらしいです。ファミコン目当てにこの製品を買う人なんていないと思いますが。
今回この製品を購入したのは、メガCDのゲームをメガCD本体を使わずに動かしたい!という願望があったからなんですよね。
メガCD本体は光学ドライブを使っている関係上、ベルトの劣化でドライブが動かなくなったり、経年劣化でコンデンサが液漏れしたりという不具合が起こりやすくなります。
メガCDは中古市場でもそれなりに高値で取引されていますので、これらのリスクを回避するためにも、どうしても欲しい製品でした。米Amazonからの購入で、32,608円(輸送費・関税込み)と高値ではありましたが…
ちなみにこの製品には、競合で「MegaSD」というという製品もありますが、製品としての完成度は「Mega EverDrive Pro」の方が上のようです。カートリッジの大きさも小さいですし。
とはいうものの、「MegaSD」の方は日本のAmazonで買えるので便利といえば便利。
メガCDで遊ぶ(手順)
microSDカードを用意する
本製品の最新アップデート適用やメガCDのBIOS格納、ゲームソフト保存のためにmicroSDカードが必ず必要になります。
容量的には64GBあれば十分とのことですが、私は念のため128GBを購入しました。
Samsung EVO Plus 128GB microSDXC UHS-I U3 100MB/s Full HD & 4K UHD Nintendo Switch 動作確認済 MB-MC1...
最新アップデートを適用する
KriKzzの公式サイトに「Mega EverDrive Pro」の最新アップデータがありますので、まずはそれをダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを解凍すると、「MEGA」というフォルダができますので、それを丸ごと用意したmicroSDカードのルート(一番上の階層)にコピーしましょう。
microSDカードを「Mega EverDrive Pro」上部のスロットに差し込めば準備完了です。
メガCDのBIOSを吸い出す
メガCDのソフトで遊ぶためにはメガCDのBIOSが必要になりますが、「Mega EverDrive Pro」にはBIOSの吸い出し機能も搭載されています。
メガドライブとメガCDを接続し、「Mega EverDrive Pro」をカートリッジスロットに差して電源を入れましょう。
まずは先ほど用意した最新アップデートが適用されます。この間は絶対に電源を切らないように注意。
アップデートが完了したら、Cボタンを押してメニューを表示します。メニューの中の「Run Mega-CD」を選択します。
するとメガCDが起動するのですが、その時点でBIOSが吸い出され、microSD内の「MEGA\bios\」フォルダ内に「mcd-ex.bin」というファイルが保存されます。
メガドライブの電源を切ったのち、microSDカードをPCで読み込み、先ほどの「mcd-ex.bin」というファイルを、「mcd-jp.bin」というファイル名に変更すればOKです。
ゲームソフトをリッピングする
メガCDのゲームを用意し、ディスクイメージを作成します。
念のため申し上げておきますが、ゲームソフトのリッピングは、自身で所有するゲームソフトで行ってください。
他の人が所有するゲームを複製したり、リッピングしたデータをネットにアップロードしたりすることは著作権法違反となります。
ネットで調べると「ImgBurn」や「CD Manipulator」というフリーウェアが良く使われているようですが、個人的には「ImgBurn」の方が変換精度が高いと感じました。
(「CD Manipulator」では何度リッピングしても動かないゲームがあった)
「ImgBurn」を使うと拡張子が「.bin」と「.cue」という2つのファイルができあがりますので、ゲーム名が分かるようなフォルダを作って放り込んでおきます。フォルダ名には日本語(2バイト文字)は使えないのでご注意を。
microSDの中に「MCD」みたいなフォルダを作り、先ほど作成したゲーム毎のフォルダを保存して、microSDを「Mega EverDrive Pro」のスロットに戻しておきましょう。
ゲームを起動する
あとはメガドライブの電源を入れるだけです。最初の画面にアップデート時に作成した「MEGA」というフォルダ名と、ゲームを格納しているフォルダ名(先ほどの例でいくと「MCD」)が表示されていると思うので、ゲームのフォルダをAボタンで選択し、更にその中のゲームを選択し起動します。
カートリッジのみでメガCDが起動しちゃうの、ちょっと感動。
「Mega EverDrive Pro」とメガドライブの組み合わせで、ゲームアーツのゲームが動いているところ(オープニングのみ)の動画を作成しましたので参考にご覧ください。
購入して良かった点
メガCDの再現度が高い
まんま、メガCDです。これでまた「LUNAR ザ・シルバースター」と「LUNAR エターナル・ブルー」を手軽に遊べると思うと胸熱です。
この両作セガサターン等でもリメイクされてますけど、劣化移植なんですよね。原作最高。
アクセスが早い
ROMカートリッジのように瞬時に、とはいきませんが、メガCD実機より明らかにアクセススピードが短縮されます。快適。
微妙だった点
動作が怪しいソフトがある
動作はほぼ完ぺきなんですけど、私の環境ではなぜか「天下布武」だけ、ゲーム画面が表示されたりされなかったりします。
今後のアップデートでの対応に期待です。
国内で売っているお店が無い
今回は米国Amazonでアカウントを作り、輸入いたしました。
住所入力に失敗しないか、とか、変な金額を請求されないかドキドキしましたが、無事に到着。
国内でも気軽に買えるといいんですが。
高い
Amazon価格は$269.99。安くはない。これに運送費と関税が乗っかってきます。日本円だとおそらく3万円超え。
一時期セールで$199になったこともあると聞きました。そういうチャンスが今後あるかは分かりませんが、欲しい人はウォッチしておくといいかもしれませんね。
今回のオススメ度
今回紹介した「Mega EverDrive Pro」のオススメ度は★★★★☆(星四つ)です。
性能的には大満足。でも高い。そんなところでしょうか。
ゲームアーツ好きとしては、場面転換がちょっともっさりしていた「ゆみみみっくす」が、ストレスなく遊べるようになったところが嬉しいです。
ただ、「シルフィード」は頻繁にデータを読みにいくので、SDカードがすぐ死なないか心配です(笑)。
ではまた。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません