iPhoneユーザーが「Apple AirPods Pro」と「SONY WF-1000XM3」で悩んだ場合どちらを選択すべきか問題
SONYの「WF-1000XM3」を発売日に買ったのは良かったけど、三ヶ月後にガッツリ競合する「Apple AirPods Pro」が発売されて脱力したシオナイト(@sheonite) です。まぁ「Appleが音質でSONYに勝つはずがないよね」と、自分に言い聞かせて我慢してたんですけどね。でも結局買っちゃったワケですが。
さてさて、ノイズキャンセリング機能付きBluetoothイヤホンが欲しい!って考えた時に、この2機種で迷っちゃう人、結構多いんじゃないでしょうか。というわけで今回は、iPhoneユーザーの目線でこの2機種の比較記事を書いてみたいと思います。
ちなみに私が使用しているiPhoneは「iPhone XS」です。Androidとかだと結果が異なる場合がありますので、そのあたりはご注意を。
基本スペック
各製品のスペックをわかる範囲で一覧化してみました。AirPods Proの方は公表されてない情報が多いです。
項目 | AirPods Pro | WF-1000XM3 |
---|---|---|
発売日 | 2019年10月30日 | 2019年7月13日 |
イヤホンタイプ | 密閉型(カナル型) | 同左 |
ドライバーユニット | 非公表 | 6mmドーム型(CCAWボイスコイル) |
マグネット | 非公表 | ネオジウム |
質量(本体) | 5.4g×2 | 8.5g×2 |
質量(ケース) | 45.6g | 77g |
充電時間 | 非公表 | 約1.5時間 |
充電方法 | Qi,Lightning | USB type C |
連続再生時間(本体のみ) | 最大4.5時間 | 最大6時間 |
連続再生時間(ケース含む) | 最大24時間 | 最大24時間 |
音声通話 | 可 | 可 |
通信方式 | Bluetooth Ver.5.0 | 同左 |
対応プロファイル | 非公表 | A2DP,AVRCP,HFP,HSP |
対応コーデック | SBC,AAC | 同左 |
ノイズキャンセリング | 有 | 有 |
防水性能 | 耐汗・耐水(IPX4) | 無 |
音声アシスタント | Siri | Siri,Googleアシスタント,Amazon Alexa |
カラーバリエーション | ホワイト | プラチナシルバー,ブラック |
価格 | 27,800円+税 | 25,880円+税 |
ファーストインプレッションについてはこちらもあわせてご覧ください。
音質
音質に関してはWF-1000XM3の勝ちですね。音楽のシロートの私でも、WF-1000XM3の方が解像感あるなって感じました。AirPods Proもかなり健闘してますが、音質だけを考えると、WF-1000XM3ユーザーがわざわざAirPods Proに乗り換える必要はないです。
WF-1000XM3
AirPods Proに比べるときらびやかな音。解像感もあって迫力は十分です。ワイヤレスイヤホンでこれだけの音がでれば十分。
ドライバユニットの素性もいいんでしょうが、圧縮音源をハイレゾ相当にアップコンバートする高音質化技術「DSEE HX」も功を奏していると思います。
音質設定はiPhone側のアプリでいじれます。「DSEE HX」のON/OFFもこちらでコントロールできますね。音質優先モードに設定すると音切れしやすくなるとのことですが、使ってみてもそんなに差はない印象でした。
AirPods Pro
WF-1000XM3に比べると全体的に迫力に欠ける印象。WF-1000XM3の方は高域がきれいに伸びたり、ヴォーカルの息遣いで「ハッ!」となる瞬間があったりするんですが、AirPods Proの方はもうちょっとかなぁと思います。
ですが、AirPods Proの方も決して悪い音ではないです。歴代のApple製イヤホンの音を知っている身からすると、物凄い進歩を感じます。外で音楽を楽しむ分には不満はない音質ですね。
WF-1000XM3の音を聴いたことがなければ、という条件付きですが(笑)
ノイズキャンセリング性能
これはもう互角。これに関してはSONYに一日の長があるかなと思っていたのですが、AirPods Proも凄い。
ただ、完全にノイズが消えるとは思わないでいただきたい。商品を買わせたいだけのブログで「装着した瞬間に静寂が!」とか「無音の空間に放り込まれた!」というクソみたいなレビュー書いてる人がたまにいますが、決してそんなことはないです。
まぁ安全上の問題で特定の周波数についてわざとノイズキャンセルを効かせていないという理由もあるんですけどね。
WF-1000XM3
ノイズキャンセル性能に不満は無し。ただ、以前使っていたノイズキャンセル機能付きオーバーイヤー型ヘッドホン程ではなかったかな。そっちは耳全体をを覆う形状なので当たり前といえば当たり前なのですが。
WF-1000XM3はイヤーピースが比較的長く、耳栓のようにピッタリと耳穴を塞ぐので、そちらの効果も高いと思いますね。おかげで装着した瞬間、「あれ?これって今ノイズキャンセル効いてるんだっけ?」って思ってしまうこともしばしば。
あとノイズキャンセルとは逆に、外音を取り込むモードもあります。イヤホン装着中に外の音を聴くためのモードなんですけど、あんまり自然な感じには聴こえませんね。なんかビットレートを下げたボイスレコーダーを聴いている感じです。
AirPods Pro
こちらもノイズキャンセル性能に不満なし。むしろこちらはイヤーピースが短いので「これで本当に耳穴塞げるのか?」って思いますけど、ちゃんとノイズキャンセル効くから驚きです。
また、WF-1000XM3は充電ケースから取り出した瞬間にノイズキャンセルがONになるんですが、AirPods Proは少し遅く、ケースから取り出して耳に装着して一呼吸置いたくらいのタイミングでノイズキャンセルが効きます。
その結果ONになった瞬間、「ノイズキャンセル効いてる〜!」という謎の感動に包まれます。このへんの演出はさすがAppleだなって思いましたね。
あとこちらも外音取り込みモードがあります。いろんなレビューで「他の製品に比べると外音取り込みモードの音が自然!」って書かれてますが、私はそれでも不自然だと思います(笑)
操作性
両製品ともイヤホン本体で曲の停止や送り、外音取り込みなどを実行することができます。入力の方式に違いはありますが、操作性自体は似たようなものかな。ただ、WF-1000XM3は本体のアップデートでボリュームのUP/DOWNに対応したので、その辺は一歩リード。
WF-1000XM3
イヤホン本体に付いてる円いタッチセンサーに触れることで操作します。
できる操作は次のとおり。
- セット1(再生/停止、曲送り、曲戻し、ボイスアシスタント、電話応答)
- セット2(ノイズキャンセル切替、外音取り込み)
- セット3(ボリュームUP、ボリュームDOWN)
この機能を本体に割り振るのですが、左右で1セットずつしか割り振れないので、余った機能はアプリ側で操作することになります。まぁこれは仕方ないか。
ちなみにセンサーをタップした時は「ピッ」という音と、機能によって「noise canselling」みたいな音声によるフィードバックがあります。
AirPods Pro
イヤホンから伸びている軸の部分をつまむことで操作します。
できる操作は次のとおり。
- 1回押す(再生/停止、電話応答)
- 2回押す(曲送り)
- 3回押す(曲戻し)
- 長押し(ノイズキャンセル切替、外音取り込み)
WF-1000XM3に比べるとできることは少ないですね。Appleは「Hey Siri」と話しかけることでこれ以外の操作もできると言っていますが、そんなの恥ずかしくて外でできるか!
こちらは操作した時、「カチッ(コツッ?)」というクリック音と、指に振動が伝わるフィードバックがあります。この感触はちょっと気持ちいい。
接続安定性
WF-1000XM3を持っているにも関わらずAirPods Pro購入に踏み切った理由がこれ。あくまで私が使用しているiPhoneに接続した場合の話ですけど、WF-1000XM3は接続が安定しないんですわ。
個人的にはAirPods Proの圧勝でした。
WF-1000XM3
充電ケースから取り出すとすぐに「Bluetooth Connected」と音声ガイダンスが流れるんですけど、そこから更に2〜3テンポ遅れて音が流れてきます。
それならまだいい。「Bluetooth Connected」って言ったくせに繋がらず、iPhoneのスピーカーから音が流れることもたまにあります。これ電車の中でやっちゃうとかなり恥ずかしい。マジで勘弁してくれ。
あとちょっとした人混みの中でも音声が途切れ、挙動がおかしくなります。パターンとしては、
- 音楽が一瞬途切れる
- 片側から音が出なくなる
- 左右異なるボリュームで音楽が再生される
- 片方の音楽再生がコンマ数秒遅れる
- iPhoneとの接続が切れる
という事象が発生します。マジでイヤ。
そういえば、数ヶ月通勤で使用して気付いたのですが、駅のホームで構内アナウンスが流れると高確率で音切れを起こします。なんか同じ周波数帯使ってるのかな。
AirPods Pro
ペアリング簡単、音切れも起こりにくい。ケースから取り出した瞬間接続が完了し、音が出ます。
まぁたま〜に負荷の高いアプリを使っている時に「プチッ」とノイズが入ることもありますが、WF-1000XM3に比べたら許せる範囲です。優勝。
装着感
両方とも耳栓のように耳穴に差し込むカナル型と言われるタイプですが、両方ともしっかり耳にホールドされるので、ジョギングなどの軽い運動で落ちたりする心配はなさそう。
WF-1000XM3
AirPods Proに比べるとイヤーチップが長く、耳栓のようにしっかり耳穴に差し込むタイプなので、長時間の使用で違和感を感じる人はいるかもしれません。
なお、軽い運動で落ちたりはしないと書きましたが、WF-1000XM3には防水機能がないので、スポーツジム等での使用には注意が必要です。
AirPods Pro
WF-1000XM3に比べるとイヤーチップが短く、素材も薄いため装着感は良好。逆に落ちないか不安になるくらいですが、ちゃんとホールドされるのでその心配はないです。
なお、AirPods Proの防水機能は「耐汗・耐水(IPX4)」なので、水につけてジャブジャブ洗っちゃうのはNGです。節度ある使い方をしましょう。
あと個人的な意見ですが、耳からうどんが出てるデザインはあまり好きじゃない(笑)
携帯性
両方とも小さいのでお出かけの邪魔にはなりませんが、AirPods Proの小ささは際立っています。むしろ小さくて失くしそうなほど。
こちらは写真で比べてみましょう。
価格
標準的な価格は上の表に書いたとおりですが、Amazon価格(2020年4月29日現在)を比べてみると、
WF-1000XM3 | 24,545円(税込) |
AirPods Pro | 30,580円(税込) |
という感じでWF-1000XM3が圧勝。まぁAirPods Proの方もApple製品にしてはコスパ良い方だと思いますけどね(問題発言)
まとめ
以上の結果を総合的に勘案したうえで、私は今後、AirPods Proの方を常用することに決めました。音質は圧倒的にWF-1000XM3ですけど、AirPods Proも十分に合格点をあげられるレベルですし、なにより個人的にはiPhoneとの接続安定性の方を取りたいなと。
もちろん、今回はiPhoneに接続して使用するという前提での比較ですので、AndroidユーザーやウォークマンユーザーにはWF-1000XM3の方をオススメします。そもそもApple製品ユーザー以外、AirPods Pro買っても細かい設定ができないので満足に使えないんですけどね。接続はできるけど。
ではまた。
ソニー SONY ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000XM3 : 完全ワイヤレス/Bluetooth/ハイレゾ相...
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