iPhoneユーザーが「Apple AirPods Pro」と「SONY WF-1000XM3」で悩んだ場合どちらを選択すべきか問題

2020年5月1日

AirPods ProとWF-1000XM3

SONYの「WF-1000XM3」を発売日に買ったのは良かったけど、三ヶ月後にガッツリ競合する「Apple AirPods Pro」が発売されて脱力したシオナイト(@sheonite) です。まぁ「Appleが音質でSONYに勝つはずがないよね」と、自分に言い聞かせて我慢してたんですけどね。でも結局買っちゃったワケですが。

さてさて、ノイズキャンセリング機能付きBluetoothイヤホンが欲しい!って考えた時に、この2機種で迷っちゃう人、結構多いんじゃないでしょうか。というわけで今回は、iPhoneユーザーの目線でこの2機種の比較記事を書いてみたいと思います。

ちなみに私が使用しているiPhoneは「iPhone XS」です。Androidとかだと結果が異なる場合がありますので、そのあたりはご注意を。

基本スペック

各製品のスペックをわかる範囲で一覧化してみました。AirPods Proの方は公表されてない情報が多いです。

項目AirPods ProWF-1000XM3
発売日2019年10月30日2019年7月13日
イヤホンタイプ密閉型(カナル型)同左
ドライバーユニット非公表6mmドーム型(CCAWボイスコイル)
マグネット非公表ネオジウム
質量(本体)5.4g×28.5g×2
質量(ケース)45.6g77g
充電時間非公表約1.5時間
充電方法Qi,LightningUSB type C
連続再生時間(本体のみ)最大4.5時間最大6時間
連続再生時間(ケース含む)最大24時間最大24時間
音声通話
通信方式Bluetooth Ver.5.0同左
対応プロファイル非公表A2DP,AVRCP,HFP,HSP
対応コーデックSBC,AAC同左
ノイズキャンセリング
防水性能耐汗・耐水(IPX4)
音声アシスタントSiriSiri,Googleアシスタント,Amazon Alexa
カラーバリエーションホワイトプラチナシルバー,ブラック
価格27,800円+税25,880円+税

ファーストインプレッションについてはこちらもあわせてご覧ください。

音質

音質に関してはWF-1000XM3の勝ちですね。音楽のシロートの私でも、WF-1000XM3の方が解像感あるなって感じました。AirPods Proもかなり健闘してますが、音質だけを考えると、WF-1000XM3ユーザーがわざわざAirPods Proに乗り換える必要はないです。

WF-1000XM3

AirPods Proに比べるときらびやかな音。解像感もあって迫力は十分です。ワイヤレスイヤホンでこれだけの音がでれば十分。

ドライバユニットの素性もいいんでしょうが、圧縮音源をハイレゾ相当にアップコンバートする高音質化技術「DSEE HX」も功を奏していると思います。

音質設定はiPhone側のアプリでいじれます。「DSEE HX」のON/OFFもこちらでコントロールできますね。音質優先モードに設定すると音切れしやすくなるとのことですが、使ってみてもそんなに差はない印象でした。

「Headphones」アプリの画面。発売当初はイヤホンのバッテリー残量しか確認できませんでしたが、現在は充電ケースのバッテリー残量も表示されるようになってます。地味に便利。
「Headphones」アプリの画面。発売当初はイヤホンのバッテリー残量しか確認できませんでしたが、現在は充電ケースのバッテリー残量も表示されるようになってます。地味に便利。
こちらも「Headphones」アプリの画面。高音質化技術「DSEE HX」もここでOFFにできますが、切るとバッテリーの持続時間が延びるみたいです。
こちらも「Headphones」アプリの画面。高音質化技術「DSEE HX」もここでOFFにできますが、切るとバッテリーの持続時間が延びるみたいです。

AirPods Pro

WF-1000XM3に比べると全体的に迫力に欠ける印象。WF-1000XM3の方は高域がきれいに伸びたり、ヴォーカルの息遣いで「ハッ!」となる瞬間があったりするんですが、AirPods Proの方はもうちょっとかなぁと思います。

ですが、AirPods Proの方も決して悪い音ではないです。歴代のApple製イヤホンの音を知っている身からすると、物凄い進歩を感じます。外で音楽を楽しむ分には不満はない音質ですね。

WF-1000XM3の音を聴いたことがなければ、という条件付きですが(笑)

ノイズキャンセリング性能

これはもう互角。これに関してはSONYに一日の長があるかなと思っていたのですが、AirPods Proも凄い。

ただ、完全にノイズが消えるとは思わないでいただきたい。商品を買わせたいだけのブログで「装着した瞬間に静寂が!」とか「無音の空間に放り込まれた!」というクソみたいなレビュー書いてる人がたまにいますが、決してそんなことはないです。

まぁ安全上の問題で特定の周波数についてわざとノイズキャンセルを効かせていないという理由もあるんですけどね。

WF-1000XM3

ノイズキャンセル性能に不満は無し。ただ、以前使っていたノイズキャンセル機能付きオーバーイヤー型ヘッドホン程ではなかったかな。そっちは耳全体をを覆う形状なので当たり前といえば当たり前なのですが。

WF-1000XM3はイヤーピースが比較的長く、耳栓のようにピッタリと耳穴を塞ぐので、そちらの効果も高いと思いますね。おかげで装着した瞬間、「あれ?これって今ノイズキャンセル効いてるんだっけ?」って思ってしまうこともしばしば。

イヤーピースの大きさ比較。左がWF-1000XM3で右がAirPods Pro、両方ともLサイズです。

あとノイズキャンセルとは逆に、外音を取り込むモードもあります。イヤホン装着中に外の音を聴くためのモードなんですけど、あんまり自然な感じには聴こえませんね。なんかビットレートを下げたボイスレコーダーを聴いている感じです。

AirPods Pro

こちらもノイズキャンセル性能に不満なし。むしろこちらはイヤーピースが短いので「これで本当に耳穴塞げるのか?」って思いますけど、ちゃんとノイズキャンセル効くから驚きです。

また、WF-1000XM3は充電ケースから取り出した瞬間にノイズキャンセルがONになるんですが、AirPods Proは少し遅く、ケースから取り出して耳に装着して一呼吸置いたくらいのタイミングでノイズキャンセルが効きます。

その結果ONになった瞬間、「ノイズキャンセル効いてる〜!」という謎の感動に包まれます。このへんの演出はさすがAppleだなって思いましたね。

あとこちらも外音取り込みモードがあります。いろんなレビューで「他の製品に比べると外音取り込みモードの音が自然!」って書かれてますが、私はそれでも不自然だと思います(笑)

AirPods Pron
AirPods Proのノイズキャンセリング設定はiPhoneアプリの「設定>Bluetooth」で。イヤホンの密閉状態を確認できるテストが素晴らしい。

操作性

両製品ともイヤホン本体で曲の停止や送り、外音取り込みなどを実行することができます。入力の方式に違いはありますが、操作性自体は似たようなものかな。ただ、WF-1000XM3は本体のアップデートでボリュームのUP/DOWNに対応したので、その辺は一歩リード。

WF-1000XM3

イヤホン本体に付いてる円いタッチセンサーに触れることで操作します。

赤丸で囲っているところがWF-1000XM3のタッチセンサー部です。
赤丸で囲っているところがWF-1000XM3のタッチセンサー部です。

できる操作は次のとおり。

  • セット1(再生/停止、曲送り、曲戻し、ボイスアシスタント、電話応答)
  • セット2(ノイズキャンセル切替、外音取り込み)
  • セット3(ボリュームUP、ボリュームDOWN)

この機能を本体に割り振るのですが、左右で1セットずつしか割り振れないので、余った機能はアプリ側で操作することになります。まぁこれは仕方ないか。

ちなみにセンサーをタップした時は「ピッ」という音と、機能によって「noise canselling」みたいな音声によるフィードバックがあります。

AirPods Pro

イヤホンから伸びている軸の部分をつまむことで操作します。

赤丸で囲っているところが、AirPods Proのセンサー部。
赤丸で囲っているところが、AirPods Proのセンサー部。

できる操作は次のとおり。

  • 1回押す(再生/停止、電話応答)
  • 2回押す(曲送り)
  • 3回押す(曲戻し)
  • 長押し(ノイズキャンセル切替、外音取り込み)

WF-1000XM3に比べるとできることは少ないですね。Appleは「Hey Siri」と話しかけることでこれ以外の操作もできると言っていますが、そんなの恥ずかしくて外でできるか!

こちらは操作した時、「カチッ(コツッ?)」というクリック音と、指に振動が伝わるフィードバックがあります。この感触はちょっと気持ちいい。

接続安定性

WF-1000XM3を持っているにも関わらずAirPods Pro購入に踏み切った理由がこれ。あくまで私が使用しているiPhoneに接続した場合の話ですけど、WF-1000XM3は接続が安定しないんですわ。

個人的にはAirPods Proの圧勝でした。

WF-1000XM3

充電ケースから取り出すとすぐに「Bluetooth Connected」と音声ガイダンスが流れるんですけど、そこから更に2〜3テンポ遅れて音が流れてきます。

それならまだいい。「Bluetooth Connected」って言ったくせに繋がらず、iPhoneのスピーカーから音が流れることもたまにあります。これ電車の中でやっちゃうとかなり恥ずかしい。マジで勘弁してくれ。

あとちょっとした人混みの中でも音声が途切れ、挙動がおかしくなります。パターンとしては、

  • 音楽が一瞬途切れる
  • 片側から音が出なくなる
  • 左右異なるボリュームで音楽が再生される
  • 片方の音楽再生がコンマ数秒遅れる
  • iPhoneとの接続が切れる

という事象が発生します。マジでイヤ。

そういえば、数ヶ月通勤で使用して気付いたのですが、駅のホームで構内アナウンスが流れると高確率で音切れを起こします。なんか同じ周波数帯使ってるのかな。

AirPods Pro

ペアリング簡単、音切れも起こりにくい。ケースから取り出した瞬間接続が完了し、音が出ます。

まぁたま〜に負荷の高いアプリを使っている時に「プチッ」とノイズが入ることもありますが、WF-1000XM3に比べたら許せる範囲です。優勝。

装着感

両方とも耳栓のように耳穴に差し込むカナル型と言われるタイプですが、両方ともしっかり耳にホールドされるので、ジョギングなどの軽い運動で落ちたりする心配はなさそう。

WF-1000XM3

AirPods Proに比べるとイヤーチップが長く、耳栓のようにしっかり耳穴に差し込むタイプなので、長時間の使用で違和感を感じる人はいるかもしれません。

なお、軽い運動で落ちたりはしないと書きましたが、WF-1000XM3には防水機能がないので、スポーツジム等での使用には注意が必要です。

AirPods Pro

WF-1000XM3に比べるとイヤーチップが短く、素材も薄いため装着感は良好。逆に落ちないか不安になるくらいですが、ちゃんとホールドされるのでその心配はないです。

イヤーチップの素材薄すぎて、耳から外した時によくこうなる。かっこ悪い。
イヤーチップの素材薄すぎて、耳から外した時によくこうなる。かっこ悪い。

なお、AirPods Proの防水機能は「耐汗・耐水(IPX4)」なので、水につけてジャブジャブ洗っちゃうのはNGです。節度ある使い方をしましょう。

あと個人的な意見ですが、耳からうどんが出てるデザインはあまり好きじゃない(笑)

携帯性

両方とも小さいのでお出かけの邪魔にはなりませんが、AirPods Proの小ささは際立っています。むしろ小さくて失くしそうなほど。

こちらは写真で比べてみましょう。

イヤホン本体の大きさ比較。どっちも小さいけど、WF-1000XM3の方が厚みがあります。
イヤホン本体の大きさ比較。どっちも小さいけど、WF-1000XM3の方が厚みがあります。
充電ケースの大きさ比較。AirPods Proの小ささが際立ちます。
充電ケースの大きさ比較。AirPods Proの小ささが際立ちます。
ケース重ねたらこんな感じ。
ケース重ねたらこんな感じ。
厚みはさらに差があります。AirPods Proほんと小さい。ちなみに端子はWF-1000XM3がUSB-C、AirPods ProがLightningです。
厚みはさらに差があります。AirPods Proほんと小さい。ちなみに端子はWF-1000XM3がUSB-C、AirPods ProがLightningです。

価格

標準的な価格は上の表に書いたとおりですが、Amazon価格(2020年4月29日現在)を比べてみると、

WF-1000XM324,545円(税込)
AirPods Pro30,580円(税込)

という感じでWF-1000XM3が圧勝。まぁAirPods Proの方もApple製品にしてはコスパ良い方だと思いますけどね(問題発言)

まとめ

以上の結果を総合的に勘案したうえで、私は今後、AirPods Proの方を常用することに決めました。音質は圧倒的にWF-1000XM3ですけど、AirPods Proも十分に合格点をあげられるレベルですし、なにより個人的にはiPhoneとの接続安定性の方を取りたいなと。

色々書きましたけど、どっちも良い製品だと思います。個人的には気に入っている。
色々書きましたけど、どっちも良い製品だと思います。個人的には気に入っている。

もちろん、今回はiPhoneに接続して使用するという前提での比較ですので、AndroidユーザーやウォークマンユーザーにはWF-1000XM3の方をオススメします。そもそもApple製品ユーザー以外、AirPods Pro買っても細かい設定ができないので満足に使えないんですけどね。接続はできるけど。

ではまた。

Apple AirPods Pro

Apple AirPods Pro

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